行き止まりの夜を行く [続・ニューヨーク日記]
ニューヨークに着いて初めての雨。
傘を買おうと思ったんだけれど、なかなかいいのが見つからなくて、
雨の中探し回って、結局ピンク色の傘を買った。
ピンクの傘の事は何度か歌詞にしているからね。
アスタープレイスで友達と待ち合わせをしていたからピンクの傘を差してテクテク歩く。
こうしてピンクの傘を差して歩くのは人生で初めての出来事。
たまにショーウィンドウに写る自分のその姿を見るとやっぱりおかしいなと思う。
ピンクの傘を差して歩くって事はこういう事なのかと思う。
友達に会うとやっぱりおかしいと言われた。
そりゃそうだ。自分でもおかしいと思いながら差していた。
で、おかしなピンクの傘を差した僕たちは、タイムズスクエアのハードロックカフェへ。
そこにはピンクの傘なんかよりも、もっとおかしな格好をした、
オジーオズボーンやフレディマーキュリーの写真が飾ってあった。
そのあとディクテーターズのボーカルの人が経営してるという、
イーストビレッジのはずれにあるバーへ行ったんだよ。
ディクテーターズの人はいなかったけれど、
壁には1976年~78年頃のロンドンやニューヨークのパンクロッカー達の写真が沢山。
その中で見つけた、見たことの無いジョニーロットンやジョーストラマーの写真。
やっぱりジョニーロットンは哲学者のようで美しかったし、
ジョーストラマーの目は強くて優しかった。
イーストビレッジはCBGBがあった街。
世界で初めてパンクロックの煙が上がった街だ。
街には今でも1976年と同じ冷たい雨がどしゃ降りで降り注いでいる。
地下室に潜り込み孤独と戦い、自分の手で未来を切り開く。
78年までのパンクロックはどこにも行けなかった若者達の、その戦いの歴史だ。
イーストビレッジは今も行き止まりで土砂降りの吹き溜まりのまま。
知ってるかい?
だからピンクの傘で街を行くんだよ。






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